【原点】「安定してるね」が褒め言葉に聞こえなくなった日。私が冷暖房完備のNC旋盤を捨てて、灼熱の鉄骨鍛冶に飛び込んだ本当の理由

kakasuke

こんにちは、カカ助です。

鉄骨鍛冶の現場に入って1年。
同級生や、前職の同僚に会うと、必ずと言っていいほど驚いた顔でこう聞かれます。

「なんでわざわざ、そんなキツイ仕事を選んだの?」

確かに、客観的に見れば狂気の沙汰かもしれません。
9年間勤めた安定企業。冷暖房完備で汚れないNC旋盤の仕事。それらを捨てて、夏は40℃を超え、毎日鉄粉まみれになる未経験の現場へ。しかも給料は下がる。

でも、私は後悔していません。
今回は、私がこの決断に至った「心の奥底にあった衝動」について、少しエモーショナルな話をさせてください。

1. 「このまま定年まで、ボタンを押し続けるのか?」という恐怖

29歳の頃、私はNC旋盤のオペレーターとして、ある種の「完成形」にいました。
図面を見ればすぐにプログラムが組める。段取りも早い。トラブル対応もできる。
会社からは評価され、生活も安定していました。

でも、毎日同じ機械の前に立ち、スタートボタンを押し、加工が終わるのを待つ。
ふと、窓の外を見ながら思ったんです。

「俺の30代、40代、そして定年まで、ずっとこの景色なのかな?」

安定はしていましたが、そこに「熱狂」はありませんでした。
自分が作った製品がどこで使われているのかもよく分からない。
まるで、巨大な機械の一部品(歯車)になってしまったような虚無感。
「安定してるね」という言葉が、いつしか「変化がなくてつまらないね」という呪いの言葉に聞こえるようになっていました。

2. 鉄骨の火花に見た「生きている実感」

そんなモヤモヤを抱えていた時、転職活動で今の鉄骨工場の見学に行きました。
そこで見た光景が、私の人生を変えました。

薄暗い工場の中で、職人たちが半自動溶接のトーチを振るう。
バチバチバチッ!!
激しい音と共に、青白いアーク光とオレンジ色の火花が飛び散る。

汗だくになりながら、巨大なH鋼(エイチこう)と格闘する男たちの姿。
NC旋盤のスマートな世界とは対極にある、泥臭くて、暴力的で、そして圧倒的に「生々しい」光景でした。

その瞬間、学生時代にバスケの試合で必死に走り回っていた時の感覚が蘇ったんです。
「うわ、かっこいい。俺がやりたいのは、これだ」

理屈ではありませんでした。
「自分の体と腕で、モノを作っている実感」が欲しかった。
ただそれだけの衝動が、私を突き動かしました。

3. 安定を捨てて得た「人生の手触り」

転職して、体力的にはめちゃくちゃキツイです。毎日筋肉痛だし、夏は死にかけます。

でも、不思議と精神的な疲れはありません。
自分が溶接した柱が、実際に建物の骨組みとして組み上がっていく。
「俺の仕事が、地図に残る」
この原始的な達成感は、何物にも代えがたいです。

以前は「会社に人生を管理されている」感覚でしたが、
今は「自分の腕で人生を切り拓いている」という確かな手触りがあります。

まとめ:30代、一度くらい馬鹿になってもいい

もし今、あなたが安定した環境にいて、でも心のどこかで「何かが足りない」と感じているなら。
その直感を無視しないでください。

「キツイ仕事=不幸」ではありません。
むしろ、「熱くなれない仕事で人生を終えること」の方が、よっぽど不幸だと私は思います。

30代を目前にして、一度くらい馬鹿な選択をしてみるのも悪くないですよ。
その先には、予想もしなかったエキサイティングな毎日が待っていますから。

ABOUT ME
カカ助
カカ助
駆け出しブロガー
NC旋盤9年→鉄骨鍛冶へ。現場で“ただの作業者”で終わらないための思考法「WORK Logic」を発信しています。段取り・補正・初品・安全・道具選びを、明日から使える形でまとめます。
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